こまごめ通信vol.15(2020年6月号)ができました

駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。駒込人お気に入りの人やお店、スポットを紹介します。

 緊急事態宣言が明けたと思ったら、「東京アラート」が発動したり、梅雨で洗濯物が乾かなかったり。家の中にいると気持ちまでジメジメしてしまいそうだけど、そんな時こそ駒込を楽しんでみましょう。

「日常」を支える風景

 交差点四天王を見かけなくなって久しい。

 平日の朝、彼らは霜降橋交差点(MAP①)の四隅に立ち、近くの小学校へ通う児童の登校を見守っていた。4人それぞれの立ち位置は決まっていて、ポジションが変わることは無い。眼鏡の似合う爽やかなおじちゃん、小柄で笑顔がすてきなおじちゃん……。一見、無愛想なおじちゃんも、小学生のちびっこに絡まれると、わちゃわちゃ構いながら、横断歩道を安全に渡れるようサポートしていて、その姿に和んだりする。

 私は彼らの名前も知らないし、特に話をするわけでもない。ただ通勤の道すがら、「おはようございます!」と挨拶をするだけの関係。でもそれが貴重だったのだ。

 三ヶ月前、流行り病で学校はお休みになり、その後は緊急事態宣言も発令され、「日常」は失われた。最近になって、少しずつ活気が戻ってきたようにも感じる。でも四天王に会えていない。もしかしたら、見守り活動は再開しているのかもしれないし、混雑を避け私が時差勤務をしているせいで、会えていないだけなのかもしれない。

 ほっとする日常風景に気づけるように、小さな変化を見逃さないようにしたいと、これまで以上に思うようになった。朝、なんとなく物足りない気分で本郷通りを歩きながら、四天王に思いを馳せる。

くれまちこ(駒込レベル中級ライター)

「使い古した色」の味

 本郷通り沿いに、古い喫茶店「東城」(②)はある。「サイフォンで珈琲を淹れています」が目印。先客がいないときは、私が椅子に座ると同時にクラシックのBGMが流れ出す。

 優しい雰囲気のご夫婦が営んでいて、流れる時間もゆっくりとしている。疲れがたまっているときやボーっとしたいとき、私はここに来てホットサンドとカフェオレを頼むのだ。

 ブラックコーヒーの飲めない私は、カフェオレとチーズケーキの味でそのカフェのレベルが分かる(と、偉そうに思っている)。東城のカフェオレはとにかく「カフェオレ」なのだ。コーヒーとミルクの割合、上品な味。いろんなカフェオレを飲んできたけれど、ここのカフェオレは大のお気に入り。そして私は、砂糖をたっぷり入れる。

 ホットサンドをほおばりながらこじんまりとした店内を見渡す。テーブルや、壁や、サイフォンが使い古した時間を感じさせる色をまとっている。黄色……薄茶色かな。

 人って不思議なもので、使い古した色を見て「汚い」と思うときと「味があって綺麗」と思うときがある。このお店で感じるのは後者。ゆったりと流れる時間、照明の暖かさ、BGM、カフェオレの味、店主さんの佇まい……そういう優しいものたちが「使い古した色」とマッチして、東城のお店の「味」を醸し出しているんだろうなと思っている。

上野舞(駒込好きすぎ編集者)

駒込ニュース

 営業自粛が続き、お店も軒並みクローズし、駒込は眠ったように静かになりました。でも、その中で、たくさんのプロジェクトが生まれ、そして形を結びました。

 まずは「fudangohan market」。田中恵美子さんがアイディアを出し、その顔の広さと行動力で、主催のやぐるまsamiさん、今月オープンしたばかりのfudangohan cafe(④)さんとコラボ。六月二十一日に開催され、第一回目にも関わらずたくさんの人が訪れました。

 また、カフェhahaco(⑤)主催の「こまごめラジオ」第3回目が配信されました。『こまごめのお母さんたちを応援するための、駒込地域密着型ラジオ』をぜひ聞いてみてください。

 「オンラインこまごめ会議」も開催されました。20名ほどの参加者さんが駒込を盛り上げるアイディアを交換。そして、次の日には駒込在住のオペラ歌手でライターの藤野沙優さんの小説「駒込珈琲物語」が連載開始。駒込の身近な景色の中でお話が進んでいき、まるで物語の中にいるような気持ちになります。

 そして、わたしたち「こまごめ通信」が東京新聞(2020/5/18朝刊)で大きく紹介(「「こま通」読めばあなたも駒込ツウ 地域愛満載 フリーペーパーが冊子に」)され、大変な反響がありました。

 フタバ書店(⑥)さんで販売していただいている「こまごめ通信本①」は80冊以上売れるベストセラーに。また、新聞を読んだ方がお手紙をくださいました。

 昔、駒込に住んでいたという大田区の渡部さんからは貴重な駒込の歴史をお寄せいただきました。

 「私は駅前、大國神社(⑦)の横を入ってすぐのところ、豊島区駒込4丁目の生まれで、その2年前は東京府北豊島郡巣鴨町大字染井という地名だったといいます。櫻と墓地で有名な染井です。(中略)先の大戦中、学童疎開に行かされました。早朝暗い中、駒込駅(⑧)を出発するとき、ホームに面した土手の上で見送りの父兄の提灯が多数揺れていたのをいまでも覚えています。」

 「父兄の提灯が多数揺れていた」という情景が、胸に迫りました。駒込の景色も戦前とはだいぶ変わったはずですが、地形や桜、神社など、どこか今に通じる風景もあり、土地の歴史を垣間見た気がします。

 外出自粛、営業自粛と暗いムードの中、駒込は冬の寒さに耐える桜のように、花咲く準備を続けていました。7月の駒込はどうなるのか、楽しみです。

こまごめ通信とは

 街を行きかうこまごめ人が、自分たちの好きな場所について静かに語る。こまごめへの愛をひっそり描く。

 この街で生活する人たちの息遣いが感じられるような、そんなフリーペーパーです。

一年分の記事をまとめた冊子「こまごめ通信本①」は、フタバ書店さんで販売中です。オンラインでのご購入はこちら  https://komagomez.base.shop/items/33927851

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